特別支援学校・特別支援学級の教員に支払われている給料の調整額を巡って、阿部俊子文科相は4月15日の閣議後会見で、全ての教師が特別支援教育に関わることが必要となっているとして、現状の調整額を半減する方針を明らかにした。その上で、この調整額の引き下げは、今国会で審議されている教職調整額の引き上げに充当するための「財源捻出を目的としたものではない」と否定した。

 2024年8月に中教審が取りまとめた答申は、この調整額について「国において、給料の調整額による処遇の在り方を含め、検討を進めることが考えられる」と指摘していた。これに関して文科相が「廃止ではなく、半減とするものとした」と、具体的な方針を示したのは初めて。

 文部科学省によれば、特別支援学校をはじめ障害のある児童生徒を担当する教員に対し現在、給与月額の3%相当、1万円前後の調整額が加算されている。阿部文科相は15日の閣議後会見で、調整額の見直しについて「2年かけて行う」と述べており、文科省では27年1月から0.75%ずつ減らし、28年には1.5%相当に引き下げる方針を示している。

 調整額を引き下げる背景について、阿部文科相は「近年、通常の学級にも特別支援教育の対象となる児童生徒が増加するなど、全ての教師が特別支援教育に関わることが必要となっている」と指摘。こうした変化を踏まえ、調整額見直しの必要性を提言した中教審の答申に触れながら「教員の給与全体を検討する中において、教職調整額の10%への引き上げなどを踏まえつつ、他の教師と比較し一定の特殊性を有していることから、廃止ではなく半減とするものとした」と説明した。

 一方、今国会で審議が進められている給特法改正案は、現行で月額給与の4%が支給されている教職調整額を段階的に10%に引き上げることとしており、その財源を捻出する狙いで調整額を引き下げるのではないかとの指摘がある。これに対し阿部文科相は、財源捻出が目的ではないと否定、その上で「教職調整額の引き上げと合わせると毎年度、教師個人の給与水準は上がることとなる」と強調した。

 給特法改正案が成立すれば、教職調整額の引き上げは26年1月から段階的に開始される見込みだ。特別支援教育の調整額の減額分は、教職調整額の引き上げによって補われるものの、通常学級の担当教員に比べ増額幅は小さくなる。

 調整額の引き下げを27年1月からの実施予定とした理由について、文科省の担当者は「教職調整額の引き上げと同時期に(特別支援教育の)調整額が下がると、給与引き上げのメリットが少なくなり、手取り額が段階的に上がっていくという実感を持ちにくい。そのため調整額は1年遅れでスタートする制度設計にしたい」と話した。