神戸市教育委員会は、学校への行きづらさを感じる児童生徒を対象とした「不登校児童生徒支援のためのアンケート調査」の結果を、1月15日に公表した。児童生徒の回答からは、「休息」や「動画視聴」で過ごす日常が浮かび上がるとともに、周囲からの「登校の強制」や「過度な干渉」を拒む切実な声が上がった。学校の先生とのつながりを肯定的に捉える層も一定数存在するなど、一人一人の性格や状況に応じた、きめ細かな初期対応の重要性が改めて示された。

 同市がこうした調査を行うのは初めて。2024年度に30日以上の欠席があった小学4年生から中学3年生までの児童生徒、および25年4月から5月にかけて同様の欠席があった子と、その保護者を対象に実施した。小学1~3年生は保護者のみを対象とした。学校を通じた配布により、紙またはWEBによる回答方式で行われ、有効回答数は児童生徒が303件(回答率8.4%)、保護者が386件(同9.2%)だった。

 回答者は中学生が81.5%と大半を占め、特に中学3年生が43.9%と最多。前学年の欠席日数は、中学生では「180日より多い」が最多となる一方、小学生では「30~60日くらい」が最も多く、校種によって不登校の長期化傾向に差があることが分かった。

学校を休んでいる時の過ごし方について尋ねたところ、「よくしていた」「ときどきしていた」の割合は「ゆっくりしている」が92.4%で最も高く、次いで「YouTubeやTikTokなどの動画視聴」が84.5%、「ゲーム」が70.3%と続いた。一方で「家で勉強する」は33.0%にとどまっている。

また、休んでいる期間に受けた支援や活動の感想を尋ねたところ、「学校の先生からの電話」には64.0%が「あってよかった」と肯定的だった。一方で、「フリースクール」や「オンラインの習い事」については、約7割が「しなくてよかった」と回答しており、既存の外部支援が必ずしも本人の安心感に直結していない現状も示された。

自由記述による「あったらいい支援」では、「不登校はさぼりではないという理解」を求める声や、「一人で勉強できる場所」などへの要望が寄せられた。

 逆に嫌なこととしては「なぜ来ないのかという問い掛け」や「登校の強制」など、周囲の過度な干渉への拒否感が目立った。市教委の担当者は、「その子の性格や段階に応じた多様な支援が必要なことが分かった」と話している。

保護者へのアンケートでは、子の心配事として「勉強・学力」が72.8%で最多となり、次いで「進路・将来」が70.5%となった。

学校を休み始めてから支援機関を利用するまでの期間は、小・中ともに「1カ月〜3カ月未満」が最多だったが、中学生では「1カ月未満」の早期利用も1割を超えた。市教委はこうした結果を踏まえ、初期対応の重要性を強調している。

 保護者が今後、市に力を入れてほしい支援は「民間施設(フリースクール)に通う家庭への経済的支援」が47.9%と最も多かった。現状、市によるそうした支援はないが、市教委は要望の高さを踏まえ検討を進める意向だ。

 市教委の担当者は「今回の結果のみで全ての声を聞けたわけではない。今回、声を聞けなかった子どもたちも含め、さまざまな立場の方たちと、今回のアンケート結果をもとに意見交換を重ね、より実効性のある支援策を考えていきたい」と強調した。