学校で生徒が暴行を受けている動画がSNSで拡散している事案が相次いでいることについて、松本洋平文科相は1月9日の閣議後会見で、「大変痛ましく感じている」と述べた。また来週、全国の都道府県・政令市の教育長を集めた緊急のオンライン会議や、いじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議を開いて、今後の対応を検討することを明らかにした。

 SNSで拡散されているのは、栃木県の県立高校の男子トイレで生徒が別の生徒に顔面を殴られるなどの暴行を受けている動画などで、同県教委によると、昨年12月に同校生徒によって撮影されたことを確認しているという。SNSを通じて同校や生徒への誹謗(ひぼう)中傷も拡散しており、同教委で対策を検討している。

 また、今月8日には大分市の市立中学校で、生徒が別の生徒に暴行を受ける動画がSNSで拡散されているのを、同市教委が確認。学校に臨床心理士を派遣して、被害生徒や動画を見てショックを受けている生徒へのケアなどに当たっている。

 松本文科相はこうした動画について自ら確認したことを明らかにし、「大変痛ましく感じている。安全安心であるべき学校で暴力行為やいじめが行われることは決してあってはならず、児童生徒が安心して過ごすことができる環境の確保と心のケアの相談窓口の充実を図るとともに、必要に応じて警察とも連携して対応することも重要だと考えている」と述べた。

 その上で今回の事案を受けて、来週、各都道府県・政令市の教育長を集めた緊急オンライン会議を開いて文部科学省としての対応を説明することや、こども家庭庁と連携していじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議を開き、今後の対応を検討することを明らかにした。

 さらに松本文科相は、動画の拡散に伴って真偽不明なまま、加害者側や被害者側とされる個人情報がさらされている状況について、「個人情報の流出や当該児童生徒の特定は、誹謗中傷など子供たちへの新たな人権侵害を生むことにつながり、国民の皆さんには冷静な対応をお願いしたい」と呼び掛けた。

 また、栃木県の事案はいじめと認識されていなかったとの話もあるとして、「顕在化していないいじめをどう把握して対応するかについては、課題があると強く感じている。各学校で暴力行為やいじめの早期発見に努めつつ、必要に応じて警察などとも連携して、直ちに組織的に対応することが必要と考えている」と強調し、現地からの調査報告を受けた上で今後の対策に生かしたいとの考えを述べた。