今日の敵でも明日は? 関係改善の余地は残す

私は2005年までキャリア外交官として勤務し、最後は対北朝鮮外交の最前線におりました。わが国としては拉致問題について一歩も譲ることができない。同時に関係性を進める交渉もしないといけません。NOを言いながらも、次に向けた条件を提示する。そういう経験を積みました。

外交の現場においては「NOを言うことで何を得るのか」を考えることが必須です。NOを言うことで関係を完全に切ってしまうのか、NOを言ったからこそ次の交渉に進むのか。

前者のように関係を切ってしまうにしても、こちらから切るのではなく、向こうからNOを言わせるように仕向けることが大事です。状況は常に激しく変化します。今日の敵が、明日は味方になるかもしれません。関係改善の余地を残すため、NOは向こうに言わせるようにすべきです。