売れる営業マンと売れない営業マンはなにが違うのか。『キーエンス 最強の働き方』(PHP新書)の著者で、キーエンスに13年半在籍し、3期連続で営業成績トップとなった齋田真司さんは「一方的なPRをしてしまう営業マンは結果を出せない。営業の仕事は売ることではなく、お客さまの課題を発見すること。そのためには、質問の仕方に工夫をしたほうがいい」という――。(第2回)
打ち合わせをするビジネスマン
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「自己満足のPR」は営業ではない

私が新卒で入社したキーエンスは、圧倒的な営業利益率を誇る企業として知られています。そこには「売れる営業」を育てるための確固たる仕組みがありました。新人は入社後、約半年間におよぶ研修で徹底的に営業の基礎を叩き込まれます。そこで教えられることの一つに、「一方的なPRはしてはいけない」という鉄則があります。

営業というと、自社商品の魅力を流暢に語り、相手を説得するイメージがあるかもしれません。しかし、キーエンスではそれを「自己満足のPR」だと捉え、成果につながらないダメな営業手法だと教わります。なぜなら、お客様の状態や課題を無視して商品を売り込んでも、相手の心には響かないからです。

大切なのは、お客様の口から課題を言ってもらうことです。

こちらから「御社の課題はこれですよね」と指摘するのではなく、対話を通じてお客様自身に「ああ、確かにここが問題だったんだ」と再認識してもらう。そこに対して解決策を提示するからこそ、提案が刺さるのです。

そのために、研修では商品の機能を暗記するだけでなく、ロールプレイングを通じて「相手のニーズの裏にある背景」を探る訓練を徹底的に繰り返します。