知りたい 聞きたい キーパーソンに問う
河合塾・近藤治さん 「理高文低は25年入試までは続く」
2022.11.18
「教育再生実行会議」の後継として岸田内閣が設置した「教育未来創造会議」が5月に出した提言を受け、各省庁がその具体化に向けて動き出しています。提言はデジタル人材の育成から奨学金制度、リカレント教育まで多岐にわたりますが、注目されているのが、理系の学生を5割程度に増やすという目標です。大学入試の現場で文系、理系の志望状況はどうなっているのか、河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員に聞きました。(写真は、大学入学共通テストに望む受験生=2022年1月15日、九州大学)
(こんどう・おさむ)河合塾入塾後、教育情報部門で全統模試のデータをもとにした大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。
理系5割目標というキャンペーンは過去にない
――政府の教育未来創造会議が「理系5割」を提言し、各省庁が具体化を始めていますが、大学受験の文系、理系の志望者数はどんな状況ですか。
この3、4年は、理系が人気の「理高文低」が続いています。医療系の志望者が増えていることに引っ張られています。2018年までは経済状況を反映して「文高理低」でしたが、文部科学省の定員厳格化の影響で私立大学が合格者数を減らして入試が難しくなったことや、20年以降は新型コロナウイルスを背景に医療系の人気が高まったことで、「理高文低」になっています。
理工系学部に限ると、志願者数および倍率は、受験人口が減っている影響で、河合塾の推定では国公立大学は17年入試がピーク、私立大学は20年入試がピークですが、その後の減り方は文系より緩やかです。