一色清の「このニュースって何?」

山上被告に無期懲役を求刑 量刑ってどう決まるの?

2025.12.25

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一色 清
山上被告に無期懲役を求刑 量刑ってどう決まるの?

日々のニュースの中に「学び」のきっかけがあります。新聞を読みながら、テレビを見ながら、食卓やリビングでどう話しかけたら、わが子の知的好奇心にスイッチが入るでしょうか。ジャーナリストの一色清さんがヒントを教えます。
※写真は、山上徹也被告の裁判が行われている奈良地方裁判所=2025年10月28日、奈良市、朝日放送テレビヘリから、林敏行撮影

死刑を求刑されなかった山上被告

安倍晋三元首相を銃撃して殺害した山上徹也被告(45)の公判(裁判員裁判)が12月18日に奈良地裁であり、検察側は山上被告に無期懲役を求刑しました。一方、弁護側は「重くても懲役20年にとどめるべき」と述べました。判決は2026年1月21日に下される予定です。殺人などの罪で起訴された山上被告は罪を認めているため、焦点は量刑になります。

刑事事件の被告に下される判決の量刑は罪の重さによって種類と期間が分かれます。罪が重いものから死刑、拘禁刑、罰金、拘留、科料があります。拘禁刑は刑務所に入ることになり、もっとも重い拘禁刑は、期間の定めのない無期拘禁刑になります。期間の定めのある拘禁刑でもっとも長いのは20年ですが、刑が加重される場合は30年まで延長できます。最短は1カ月です。

拘禁刑は法律改正により25年6月1日に新設された刑で、これまでの懲役刑と禁錮刑を一本化したものです。懲役刑は労働の義務があり、禁錮刑は労働の義務がなかったのですが、禁錮刑の人はごくわずかで、しかも希望して労働することが多いため、区別する意味がなくなっていました。ただ、25年5月31日以前に起きた事件は懲役刑や禁錮刑が適用されるため、山上被告への求刑は無期懲役になっています。

また、懲役刑や禁錮刑や拘禁刑に対しては1~5年の執行猶予が付くことがあります。刑務所に入らずに通常の社会生活を送ることができ、期間内に犯罪をしなければ、そのまま刑期を終えたことになります。犯罪をしてはならないというプレッシャーを受けながら社会で生活するほうが教育的な意味が大きいという考えにより設けられているものです。初犯だったり、情状酌量の余地があったりする場合に付きます。

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