学習と健康・成長

子どもの転倒による前歯の外傷 乳歯と永久歯で異なる対応

2025.10.08

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滝山展代

外での遊びや、学校での転倒・衝突事故などで前歯に傷を負うケースがあります。前歯の外傷は気が付いたときに歯科医院を受診した方が良いといいます。乳歯と永久歯に分け、外傷の対応方法をみてみましょう。

岡 暁子さん

話を聞いた人

岡 暁子さん

福岡歯科大学 成育小児歯科学分野 成長発達歯学講座 教授

(おか・きょうこ)長崎市生まれ。九州大学歯学部を卒業後、九州大学、福岡歯科大学にて小児歯科学を専攻、2022年から現職。 日本口蓋裂学会認定師(小児歯科分野)、日本歯科専門医機構認定小児歯科専門医・専門医指導医。

子どもの歯の外傷 1~2歳、8~10歳でよく起きる

――外来診療で子どもが歯や口に傷を負ったケースを診察されています。

はい。子どもの歯の外傷は1~2歳と8~10歳が好発年齢です。その理由は、まだ歩いたり走ったりするときに足もとがおぼつかない年齢と、運動の範囲が広がる年齢に当たるからです。ケガの原因としては、低年齢だと転倒が多いですね。学童期になると学校内や登下校中に衝突して前歯を打つというケースもあります。これより上の年齢になると、スポーツ中のケガなどが増えてきます。

子どもの歯の外傷は、前歯のケガが多いです。その他にも、おもちゃや歯ブラシをくわえたまま何かに衝突し、唇や喉のほうなどの柔らかい組織を傷つけることがあります。柔らかい組織の大きくて深い傷や出血が止まらないような新鮮な傷は縫う必要があります。歯ブラシをくわえたまま転ぶと大きなケガや命の危機につながることがありますので、仕上げみがきの時は寝かせて行うなど安全な使用法をお願いしたいです(注1)。

消費者庁は、歯ブラシによる転倒事故を防ぐため、柄が曲がったり丸くなったりした小児用歯ブラシを推奨している(消費者庁資料より引用)
消費者庁は、歯ブラシによる転倒事故を防ぐため、柄が曲がったり丸くなったりした小児用歯ブラシを推奨している(消費者庁資料より引用)

――子どもの口や歯の外傷に対しては専門的な判断が必要ということですね。

私たちが考えているのは、乳歯の時期の外傷であっても、その治療は「永久歯がすべて萌出する(はえる)までがゴール」ということです。これはつまり、子どもの口や歯の傷というのは、受傷した時に見えている問題に対する治療だけでなく、「良い状態で永久歯列を完成させるため」に必要な処置は何かを考えているのです。

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