[社説]AIロボットの台頭に危機感を

米ラスベガスで9日まで開いたテクノロジー見本市「CES」で、海外勢がロボットと人工知能(AI)を融合して利便性を高める流れを鮮明にした。産業用ロボットに強みを持つ日本でも危機感を高め、AIを利用したロボットの高度化を加速する必要がある。
CESでは韓国の現代自動車が2028年までにAIを活用したヒト型ロボットなどを年3万台規模で量産し、米国の自動車工場に導入すると表明した。中国などのスタートアップ企業も多くのヒト型ロボットを出展し、ダンスや家事の実演が関心を引いた。
背景にあるのはAIの発達だ。米エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は1年前のCESでAIのロボットなどへの応用について説明した。その後、わずかな期間で多くの製品が開発された。
展示会場ではヒト型ロボットが簡単な作業に苦戦する場面も目に付き、「人間の器用さを再現できるのは遠い先」との意見があるのも事実だ。それでも多くの資金が流れ込むなか、ロボット全般の可能性が広がることを否定すべきではない。
日本でロボット産業の競争力を高めるために不可欠なのは経営層がソフトの重要性を理解し、開発・応用の体制を整えることだ。独シーメンスのローランド・ブッシュCEOは基調講演で、1500人のAI技術者を確保したと説明した。日本でもAI人材を増やすことが急務になる。
導入では技術の成熟を待って一気に人の仕事を置き換えるのではなく、可能な部分から段階的に活用する姿勢が重要だ。過度な完璧主義を排することで足元の人手不足を緩和できる可能性がある。
産官学や企業間の連携も欠かせない。ロボットに限らず既存産業が新技術と融合する局面では外部の新たな知見を取り込むことが大きな意味を持つ。各地から企業幹部や技術者らが集まる国際見本市などの機会も活用し、連携と協業を広げるべきだ。













