発達凸凹と向き合う

【発達障害のある子の受験】中学受験と高校受験、どっちを選ぶ? 就労・進学支援の現場から(上)

2025.10.02

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葉山 梢

発達障害のある子にとって、受験は大きな岐路となります。中学受験するのか、高校受験がいいのか、また多様な選択肢の中からどんな学校を選べばよいのでしょうか。発達障害のある小中高生向けの放課後等デイサービス「ティーンズ」を運営する株式会社Kaienの犬塚渓介さん、中沢真理子さん、老沼晴彦さんに、就労や進学から逆算した支援を行う現場の視点から解説してもらいました。

犬塚 渓介

話を聞いた人

犬塚 渓介さん

(いぬづか・けいすけ)大学時に発達障害の診断を受けた経験から福祉の道へ。現在は自身の障害をオープンにしながらオンライン講座の開発・運営を担当。講演・学会発表・高校通級指導員など幅広い活動を行っている。

中沢 真理子さん

(なかざわ・まりこ)自身も私立中高一貫校で学び、大学院で修士(教育学)を取得。私立中高での教員経験を経て、2024年から株式会社Kaien教育事業部ティーンズで勤務。

老沼 晴彦さん

(おいぬま・はるひこ)学生時代に教育系のボランティアに参加し、その後15年間にわたり県立高校で教員を務める。全日制高校に加え、クリエイティブスクールや定時制高校での在籍経験も豊富。現在は福祉領域に転職し、ティーンズで勤務している。

利用者の2割が中学受験

――放課後等デイサービスというと療育がメインというイメージがありますが、ティーンズは進路に関する相談や支援を中心に行っているそうですね。

犬塚:もともと大人の発達障害の方向けの就労移行支援サービスが事業の始まりです。そこから派生してティーンズができたので、私たちは「働く」こと、つまり就職や進学というゴールから逆算して支援を行っているのが大きな特徴です。

利用者は小中高生がだいたい同じ割合です。他の放課後等デイサービスは小学生あるいは中学生までということが多いのですが、ティーンズの利用者の多くは高校卒業まで利用されています。プログラムによっては下は小学1年生から上は高校3年生まで、一緒にいるという不思議な空間が生まれることもあります。

受験に関しても、勉強を教えるのは学校や塾の先生方というプロフェッショナルに任せて、私たちはその周辺のサポート、例えば学校の選び方から、多くのお子さんが苦手とするスケジューリングの管理、学校と連携して生活面での支援などを行っています。

中沢:面談の中で「どんな学校に行きたいかな」と聞き取ったり、特性のあるお子さんは「何から優先順位を立てて選べばいいか」が難しいことがあるので、そこを一緒に考えたりします。また、計画が立てられなくて、気づいたら締め切りが過ぎていた、ということもあるので、「どうやったら締め切りまでに終わらせられるか」といった計画立案のサポートもします。

高校によっては面接で受験する学校もあるので、その練習を通して「自分の強みや弱みって何だろうね」と一緒に考えるなど、勉強の成績を上げる以外の面でのサポートが主になります。

――ティーンズの利用者で、中学受験をするお子さんはどのくらいの割合なのでしょうか。

犬塚:昨年度は26%、今年度(2025年度)は20%でした。首都圏の中学受験率よりは少し高めかと思います。発達障害のある子にとって環境選びは大切なもののひとつで、地域の学校に進むことだけが選択肢ではない、と伝えています。それ以外の進路にも目を向けてもらった結果、地域の学校ではない学校を選ぶ方が多いです。

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